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●温シップと冷シップ、どちらを使ったらいいの? 「温湿布」と「冷湿布」そして「テープ状のプラスター剤」。一体どれを使ったらよいのだろう? という疑問をおもちの方もいらっしゃると思います。 急性の(何かにぶつけた、激しい動きをしたため痛くなった)場合や炎症が有る場合は、冷やす方法が原則的にとられます。 又、冷湿布の代用として、氷を入れた袋や、アイスノンを冷やしすきない程度であてても良いでしょう。 この急性の外傷以外では、基本的には気持ちが良い、心地が良いと感じるほうで良いでしょう。 実際に貼ってみると、「冷湿布」は、ひんやり冷たく感じ、「温湿布」はポカポカ温かく感じると思います。「プラスター剤」は若干ひんやり感じます。このひんやり冷たい感覚、ポカポカ温かい感覚が続いている間は、肩周りや腰のコリ感が和らいでいるように感られます。これは、私達の脳と、コリを感じ痛い部分をつなぐ神経の性質を上手に使っているため、痛みが緩和されているのです。 「腰がなんとなく痛いなぁ」と感じるのは、腰の痛みを発している部分から、脳へ痛みを伝える神経が「痛い! 腰に異常があるよ」という信号を送るためです。『痛覚』の神経によるものです。その時にこの部分に「湿布」を貼ると、「ひんやり冷たいモノが腰に触れている」「腰がポカポカ気持ちよい」と感じる『触覚』の神経が脳に心地よさを伝えます。 『触覚』は『痛覚』よりも神経線維が太く、『心地よく触られている』という感覚が『腰が痛い』という感覚よりも速く脳に伝達されるため、痛みを抑制し緩和させることが出来るのです。 また、第二世代の新しい冷湿布やプラスター剤には、痛みのもとになる物質がつくられることを抑えることで炎症・鎮痛効果が得られるインドメタシン・ケトプロフェンなど消炎・鎮痛剤が含まれているため、湿布をしばらく貼り、外した後に「痛みが消えた!」ということもあります。従って、慢性の膝関節の痛みなどでも冷湿布が使われるのはこの消炎鎮痛薬の効果が期待できるからです。温湿布にはこれらの消炎鎮痛剤の含まれたものはまだ少ないため、病院などでは冷湿布やプラスター剤などがよく処方されます。 「温湿布」と「冷湿布」は、ともに『心地よさ』で『痛み』を感覚的に和らげる効果があることがわかりました。では、この使い分けはどうしたら良いか? という疑問がわくと思います。ここまでの話からですと、心地よければどちらでもよいということになりますが、「温湿布」と「冷湿布」に使われている成分の違いから、患部の状態により適している湿布を使います。 「温湿布」と「冷湿布」の成分の違い 「温湿布」には温かさを感じるトウガラシ成分のカプサイシン。「冷湿布」には、冷たさを感じるメントールが配合されており、皮膚の『感覚』(心地良さ)に違いを出します。どちらの湿布も、血行を変化させるほどの筋肉の温度変化はみられないとされています。 また注目すべきは、「温湿布」も「冷湿布」も結果的には、湿布に含まれている含水成分の作用により、どちらも皮膚の温度を下げる効果があります。温湿布でも冷湿布でもないテープのようなプラスター剤でも皮膚の温度は下がります。しかし、温湿布のカプサイシンに関しては、皮膚から染み込んだ部分の毛細血管を拡張させ血流を増やし、貼って約90分経つと、皮膚の温度を2度くらい上げることがあるともいわれています。 ぎっくり腰には、温湿布? ぎっくり腰など突然、腰を痛めた場合は、深部に炎症があり熱をもつことも考えられます。ですから、皮膚だけとはいえ、温度を上げる可能性のある温湿布は、避けたほうがよいでしょう。また、ぎっくり腰になって2〜3日は、皮膚よりも深いところにある筋肉や組織の炎症に対して冷却が必要です。ですから、湿布の使い方としては、アイシングの後に『痛覚』抑制のために「冷湿布」をはり、痛みの感覚を和らげると良いと思われます。 これとは逆に、慢性的な血行不良によるコリには、わずかでも血流量が増える可能性のある「温湿布」が良いかもしれません。(血流量に影響するかどうかには個人差があります。)ただし使用の注意として、温湿布の場合、入浴する30分前には湿布をはがしておいてください。さもなければ湿布をはっていたところにヤケドのような痛みを感じます。慢性的なものでもコリだけでなく、痛みがある場合は、経皮的消炎鎮痛薬含有の冷湿布や温湿布、プラスター剤が使用されます。 インドメタシンなどが入った消炎・鎮痛効果の強いタイプの湿布と、それらが入っていない湿布。また、「冷湿布」「プラスター剤」と「温湿布」。これらの特徴をふまえて、使い分けていくことが理想です。しかし、肩こりや腰痛をおこすには原因があるはずですので、それをつきとめつつ、ツライときには湿布で心地よい、楽に感じる時間をつくるとよいでしょう。 |