|
屈筋腱腱鞘炎
(バネ指) |
筋肉と骨をつないでいる腱は、外側が腱鞘という組織で包まれ、その間に滑膜があり、腱の動きを滑らかにしています。腱鞘炎とは関節の使いすぎなどで、腱や腱鞘に炎症が起こる病態です。またそれ以外に関節リウマチが原因になるものもあります。 発生部位は手に多く見られ、バネ指(弾発指)、後述するデ・ケルバン病があります。バネ指は指を曲げる腱(屈筋腱)と腱鞘の間で炎症が起こることにより、指の付け根に痛みや腫れが発生します。この指の付け根に圧痛や硬結を触れます。この腱鞘炎が進行すると、指にバネ現象がおこります。これがバネ指と呼ばれるものです。指の使いすぎによる場合が多いのですが、原因がはっきりしないこともあります。好発部位は親指、中指、薬指です。 |
trigger finger
弾撥指
強剛母指 |
生まれつきに母指の付け根手のひら側付近で、屈筋腱の腫瘤状肥大のため母指の伸展が腱鞘に押さえつけられて伸展できなくなっているものはtrigger finger(弾撥指)や強剛母指とよばれます。屈筋腱腱鞘炎の一種です。4〜5歳までに約80%のものは自然治癒するとの報告があり、従って5歳くらいまで様子をみる。装具療法が行われる場合もある。5歳くらいまで大きくなっても母指の伸展障害があるなら、腱鞘切開術を考える。 |
Heberden結節 |
へバーデン結節:指先から1番目の関節をDIP関節と呼びますが、この関節の肥大変形。この関節の変形性指関節症です。ちょっとした衝撃が加わると強く痛むことがあります。長期的には痛みは自然に消退します。 |
Bouchard結節 |
ブシャール結節:指先から2番目の関節をPIP関節と呼びますが、その関節の変形性関節症で、Heberden結節の20%に本症を合併するといわれています。 |
関節リウマチ |
関節リウマチでは関節の滑膜炎と腱滑膜炎がおこり進行性の関節破壊と関節変形が生じる。手では指先から2番目の関節であるPIP関節と指の付け根のMP関節の罹患頻度が高い。指の付け根は腫れて指が小指側に偏位する(尺側偏位)。親指ではMP関節が過度に曲がって、親指から最初の関節であるIP関節はそってしまう過伸展変形を示す。 |
母指変形性CM関節症 |
親指の付け根の手首のところが痛む。親指を手首のほうへ押し圧力をかけ親指を回すと痛みがでる(grind test)。閉経後の女性に多い。治療は装具療法をおこなう。手術がおこなわれることもある。 |
|
|